The power of the scent of roasted tea
ほうじ茶の香りのパワー
ほうじ茶の一番の魅力は、心が穏やかになる「香り」。ほうじ茶の香りにはどんな秘密があるの?
石川県のほうじ茶の意外な活用法
日本のほぼ中央に位置する石川県。古くからの稲作地帯で、杉谷チャノバタケ遺跡の竪穴式住居跡から、黒く炭化した日本最古(約2000年前)のおにぎりの化石が発掘され話題になったこともある。 そんな石川県で「お茶」といえば「ほうじ茶」。飲食店で出てくるお茶はもちろんのこと、保育園で園児達がほうじ茶を飲んでいたり、生まれて間もない赤ちゃんに少し薄めたほうじ茶を飲ませたり、時には赤ちゃんのお尻拭きに使われることまであるそう。このように石川県では欠かせない存在となっているほうじ茶。その一番の魅力はなんといっても心がほっとする「香り」。ほうじ茶の香りのパワーにはどんな秘密があるのだろう?
飲んでいないのに驚きのリラックス効果
ほうじ茶と緑茶、それぞれを飲んだ時の脳のリラックス度。 緑茶には、リラックス効果の元となる「テアニン」という成分が豊富に含まれているが、ほうじ茶に含まれているテアニンの量は緑茶の100分の1程度。緑茶ほどのリラックス効果は期待できなさそうだ。
しかし、結果はほうじ茶を飲むと、緑茶を飲んだ時と同じくらいのリラックス効果が得られていた。さらに、緑茶を焙じた時に出る香りを嗅ぐと、お茶をのんでいないにも関わらず、飲んだときと変わらないくらいのリラックス効果が生まれていることがわかった。
A. 緑茶を飲んだ時のリラックス効果
右下にある赤い部分が拡がるとα波が増え、脳がリラックスしていることを示す。
このリラックス効果の元と言われているものが「テアニン」。緑茶の代表的なうまみ成分。
B. 緑茶を焙じた時のリラックス効果
右下にある赤い部分が拡がるとα波が増え、脳がリラックスしていることを示す。
このリラックス効果の元と言われているものが「テアニン」。緑茶の代表的なうまみ成分。
緑茶の茶葉を「焙じる」ことで出来上がるのがほうじ茶。茶葉を焙じることでなぜこのような驚きの香りパワーが生まれるのか?
お茶に潜んでいた香りを引き出す焙じ技の秘密
ほうじ茶の香りを詳しく調べるため、お茶の達人が緑茶を焙じているところにソムリエを連れて行き、匂いをかいでもらった。すると茶葉を機械に通して火にかけるたびに、若葉や柑橘系の香り、花の香り、ナッツや珈琲豆の香りなど、さまざまな種類の香りが出てきている事がわかった。
お茶には、もともと300種類以上の香りの成分が含まれているが、その殆どは糖とくっついて、いわば茶葉の中で封印されている状態にある。ところが、じわじわと加熱されるにつれ、香り成分は糖から離れて外に出られるようになる。ソムリエが若草や花の香りと表現したのは、こうしたお茶にもともと潜んでいた香りだったのだ。
また、一定の温度以上いなると、糖とアミノ酸がくっついてアミノカルボニル反応が起こり、香ばしい焙煎香も生まれる。
ほうじ茶はこうした豊かな香りを茶葉からお湯に抽出して味わう、とてもぜいたくなお茶と言えよう。
参照: ためしてガッテン 2013年6月19日 130619 【これぞスーパー日本茶!格安美味 幸せ1200倍 】 https://www.youtube.com/watch?v=0kdizK9hLLY ためしてガッテン これぞスーパー日本茶 格安美味!幸せ1200倍 (2013年06月19日放送) http://www9.nhk.or.jp/gatten/pdf/program/P20130619.pdf